好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
【ご心配のこと、承知しております。私の過去世は大きな過ちを犯しました。ですから、私がここにいるのです。私は、繰り返さないことを誓います。影小路の人間として、斎陵学園の生徒として、貴殿にお誓い申し上げます】
真紅は語りかける前に、刀印を解いていた。
こちらに攻撃の意思がないことを示す必要もあった。
《……クリカエスナ》
ふつりと、張りつめていた空気が和らいだ。百合緋が大きく息を吐き出すのがわかった。
「大丈夫。私の言ったこと、聞いてくれたみたい」
「……そう」
架が小さく答える。百合緋も安堵の息を吐いた。
「警告、だったのかな」