好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


扉を開けたのは、黎だった。


瞬時に真紅の瞳が煌めく。


「兄貴。今来たの?」


「今日は小埜の家の用事済ませてた。――っと、真紅?」


「黎! こっち来て!」
 

真紅は慌てて黎の腕を摑んで病室の外へ引きずり出した。


「……真紅ちゃん?」


「あれ? 今の黎さんだよね? なんかいつもと違ってなかった?」
 

真紅の突然の行動に、百合緋と海雨はぽかんとしてしまった。

< 166 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop