好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
扉を開けたのは、黎だった。
瞬時に真紅の瞳が煌めく。
「兄貴。今来たの?」
「今日は小埜の家の用事済ませてた。――っと、真紅?」
「黎! こっち来て!」
真紅は慌てて黎の腕を摑んで病室の外へ引きずり出した。
「……真紅ちゃん?」
「あれ? 今の黎さんだよね? なんかいつもと違ってなかった?」
真紅の突然の行動に、百合緋と海雨はぽかんとしてしまった。