好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


そうなのだ。白桜は、庵の中に足を踏み入れただけでくしゃみが止まらなくなるほどの猫アレルギーだったのだ。


今も、縁側の外から悔しそうに真紅と百合緋を見ている。


「白ちゃんにそんな弱点があったなんて……」


「わたしも知らなかったわ……」
 

どうやらそのことは黒藤以外知らなかったようで、百合緋も驚いている。


「遠くから眺めてるだけでも構わない! 結蓮たちなら受け容れてくれるから!」


「お前をそんな残念な変態みたいに出来るか。絶対ダメ」


「残念な変態に言われたくない!」


「否定はしない」
 

とんでもないやり取りをさらっとやらないでほしい。
 

最初の白桜の言い方もちょっとアレだが、好きな子になんて言い方を出来るんだ、この従兄は……。


そして否定してほしい。
 

真紅は薄ら対応に困った。猫を連れ込んでしまった身の上として。


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