好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「白は唯一の跡取りだったからな。じじいも必死になる」
黒藤が嘆息気味に言えば、
「白ちゃんにはあげられないね」
「白桜は見ることも駄目ね」
真紅と百合緋が平坦な表情で言った。
「え、そこ結託するの?」
二人も黒藤側に廻られて、傷付いた顔の白桜。
そのうちしぼんで縁石の上に膝を抱えてしまった。
「白桜にそんなことがあったのですか」
キッチン――厨(くりや)にいた紅緒と紅亜が戻って来た。