好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「白は唯一の跡取りだったからな。じじいも必死になる」
 

黒藤が嘆息気味に言えば、


「白ちゃんにはあげられないね」


「白桜は見ることも駄目ね」
 

真紅と百合緋が平坦な表情で言った。


「え、そこ結託するの?」
 

二人も黒藤側に廻られて、傷付いた顔の白桜。


そのうちしぼんで縁石の上に膝を抱えてしまった。


「白桜にそんなことがあったのですか」
 

キッチン――厨(くりや)にいた紅緒と紅亜が戻って来た。

< 182 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop