好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「紅、猫の姿に戻れる?」
《あいわかりました》
また、ポンッと紅姫の姿が煙に包まれ、真紅の腕の中にいるのは重さを感じさせない三毛猫だった。
「ママ、見える?」
「……真紅ちゃんの腕が何かを抱っこしてるようには見えるんだけど……何もいないわ」
ふるりと首を横に振る紅亜。
紅姫の言った通り、変化した姿は見鬼ではない人にも見えるようだ。
「紅、ママになれる?」
《影小路紅亜様ですね》
今度真紅の腕に現れたのは、小さなくれ――
「真紅‼ 紅姫‼ そのままでおいでなさいっ! カメラ持ってきますっ!」
……小さな紅亜を見た瞬間、紅緒がすっ飛んで行った。
相変わらずのシスコン……。