好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「紅緒がちっちゃくなったみたいねえ」


「そりゃあ、ママと紅緒様って双児なんだから」
 

紅緒に紅姫が紅亜に見えたように、母には紅姫が紅緒に見えるのだろう。


……真紅の頭の中で、映像と字面がややこしい。


「でも残念だわ。猫さんの姿だけ見られないなんて」
 

紅亜が、紅姫の頭を撫でる。


変化状態の紅姫は触れられもするんだ、と真紅は少し驚いた。


「紅ちゃん? 真紅ちゃんのところに来ちゃったのね」
 

紅亜に頭を撫でられていい気分になったのか、また紅姫に変化があった。


「あら、この紅緒、耳が生えちゃった」

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