好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


真紅と紅亜は小路一派にゆるされて、籍を移すことになった。


紅亜には霊感はないから、陰陽師として学ぶのは真紅だけだ。


「まだ腫もん扱いだな。申し訳ないことだが。……転生をどう扱っていいのか、わからないでいるんだろう。

今のところ、古人翁(ふるひとおう)のところの黎と恋仲ってのは知られていない。

二代続けて鬼の血筋を婿にするなんて、前代未聞だろうなー」


「鬼を婿にしたのは紅緒様が初代だろうが」
 

白桜が言うと、黒藤は「違いない」と笑った。
 

黎が、今は鬼性(きしょう)が滅され、霊感の強い人間程度でしかないと言っても、その出自は鬼人・桜城家だ。


陰陽師一族に鬼の血を入れることへの抵抗は大きいだろう。


……鬼神(きしん)と呼ばれた鬼の息子が、すでにここにいるが。


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