好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


真紅はその力を忌避していたこともある。


自分での所為で、大すきな人を殺してしまうかもしれないと。


けれど結果論ではあるが、真紅が封じられた力を持っていたことで、真紅と黎の未来は繋がった。


黎が人間になったことで、一緒にいることが出来る。


更に鬼性もなくなったことから、将来的な話になるが小埜家の監視下を離れることも可能になった。


「黎が……小埜家の監視下でも、今まで無害に生きて来られたのは、澪さんのおかげでもあるから」
 

澪は術師としての力がないから、黎が血を飲んでも害にならなかった。
 

黎は半分だけの吸血鬼。それでも血は必要だった。
 

澪だって、自分の手を切ることは嫌だっただろう。


家のしがらみのためとはいえ、何故そんなことをしなければならないと思うはずだ。
 

それでも澪は、黎の血液提供者だった。

< 219 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop