好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
そうなれば、黒藤と対立することになる。
黒藤は正統後継者という立場ながら、ずっと当主になることを蹴っている。
理由は、『白を嫁にするから』。
…………。
対外的には男として知られている白桜のことを堂々と言うから、その割は白桜も喰っているようだ。
それでも黒藤を跳ねつけない白桜。
……実際ところ、黒藤のことをどう思っているのかはナゾだ。
「幼馴染の腐れ縁だ」とは聞いているけど。
「真紅真紅」
思考に落ちてしまった真紅の顔の前で海雨が手を振った。
「あ、うん?」
「黎さんと澪さんが喧嘩してるのいつものことだから、その辺は気にしなくていいと思うよ?」
「……そうなの?」