好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「………」
 

申し訳なさ過ぎる……。
 

真紅が言葉を失くしていると、海雨がカラッと笑った。


「そんなんでも、傍目には合わなく見えても、二人って一番近い友達なんだよね。黎さんの場合は、澪さんの発破剤(はっぱざい)にもなってるみたいだし。澪さんが黎さんを嫌うことがなかったように、黎さんが澪さんを嫌うことはないと思うよ」


「………うん」
 

たぶん自分は、これ以上黎から奪いたくないと感じているのだ。
 

自分といるために、黎が捨てたたくさんのもの。
 

まだ黎の手の中にある、友達の存在までは奪えない。


「梨実? 真紅が来てるって聞いたんだけど」


「うひゃうっ!」

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