好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


通路に向けて引いたカーテンの向こうからかかった声に、真紅の肩が大きく跳ねた。


た、タイムリー過ぎっ!


「ま、真紅……面白すぎ……っ」
 

真紅の驚きように、隣の海雨はお腹を抱えて笑っている。


「開けていいか?」


「あっ、う、うんっ」
 

真紅は慌てて心臓を落ち着かせようとする。
 

カーテンを開けた黎は、白衣を纏っていた。


「真紅、少し話あるんだけど、いいか?」


「私? うん」


「来週から実習入るから、しばらく行けなくなりそうなんだ」

< 224 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop