好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
通路に向けて引いたカーテンの向こうからかかった声に、真紅の肩が大きく跳ねた。
た、タイムリー過ぎっ!
「ま、真紅……面白すぎ……っ」
真紅の驚きように、隣の海雨はお腹を抱えて笑っている。
「開けていいか?」
「あっ、う、うんっ」
真紅は慌てて心臓を落ち着かせようとする。
カーテンを開けた黎は、白衣を纏っていた。
「真紅、少し話あるんだけど、いいか?」
「私? うん」
「来週から実習入るから、しばらく行けなくなりそうなんだ」