好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「―――」
「父上は俺の所為で消えてしまった。母上が俺を、少なからず恨んでいておかしくない。
俺が生まれなきゃ父上は生きていた。……そんくらい、俺も考えるよ」
「………」
白桜は、視線を黒藤から自分の足元へ向けた。
黒藤が生まれたために消えた父、鬼神・無涯(むがい)。
白桜に自分の未来を渡した母・白桃。
白桜は、父のことも母のことも、人づてに聞いた話でしか知らない。
だが、黒藤は……。
「母上から、一緒に暮らさないかって言われた」