好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「……まさか本当に――
「梨実との関係は、そういうんじゃないってはっきり言われた。でも、理由は誰にも話せないって」
「……それで喧嘩?」
「言いたくないことなら言わなくていいって言ったのに、なんかあいつ、いつもと様子おかしくて……」
「……お嬢さんと海雨ちゃんが付き合ってるとか、お嬢さんが海雨ちゃんを好きだって可能性はなしにしていいのか?」
「それはナシでいいみたいだ」
真紅は、黎を『自分の男』だとはっきり言った。
「……そっか。はー……」
澪が安堵らしいため息をついている。
そりゃ、お前はそれで問題解決だろうけど。
「なんであいつ、俺を頼らねえだよ……」
黎が思わずつぶやけば、澪は顔をあげて「当り前だろ」と返して来た。