好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
影小路へ入ることや、そこで生きていくことは決めた。
でもそれを、直接自分の言葉で黎に伝えたか?
なんとはなしに、流れで黎の耳に入っていた気がする……。
勿論、海雨のことや始祖の転生のこと、話せないこともある。
けれど、恋人として付き合っていく上で知っておいてほしいこと、知っておきたいことまで、なあなあにして伝えていなかったのでは……?
黎だけを責められない。
周りにどう思われようと、真紅は黎と対等の関係を望んでいる。
「真紅ちゃん、次兄貴に逢えたら、いっぱい甘えてあげてね?」