好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「あ、甘え? どうしたの、急に」
 

架のいきなりな言葉に驚いた。


「兄貴、真紅ちゃんに頼ってもらえないと、たぶん自分がいる意味ないとか思っちゃうと思うからさ。……兄貴、生きてる意味を求めやすいって言うか……誰かに生きてる意味をもらわないと、まだ無理だと思うんだよね」


「―――」
 

生きてる意味をもらう? 


妙な言い回しに首を傾げていると、架は「だから、甘えてあげて」と続けた。
 

黎に、甘える。


……甘えてばかりだと思う。

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