好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「あ、ありがとー」
 

姿を見せた黎に真紅が礼を言うと、海雨ががしっと真紅の腕を摑んで来た。


口をあわあわさせている。
 

にっこり笑う真紅。


「澪さんから逃げたら怒るって言ったよね?」


「~~~~」
 

海雨が泣きそうな顔をし出した。


海雨の手術の日から、海雨は澪とは逢っていない。


真紅は、澪のところへ乗り込んだ。


海雨の正体を知って、気持ちが覚めたり気が変わったりしていないか。


そう、問いかけた。
 

澪が、少し躊躇う様な間があってから口を開いた。


「黎、お嬢さん、海雨ちゃんと二人で話させてもらっていい?」


「はい。廊下で待ってますね」
 

黎と二人、病室を出た。


「――で? 真紅はまだ反対してるのか?」

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