好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「申し訳ありません、白桜様。黒藤様が不届きな真似をされませんか不安で致し方なく」


「ごめんなさい白桜様! 華樹(かき)を止められませんでしたっ!」
 

先に言ったのが華樹で、鋭く黒藤を睨む華樹を止めようとしているのが牡丹だ。


黒藤と二人は同い年になる。


「そう睨むなよ、華樹。つーか呼び捨てでいいって」


「かようなことは。立場は弁えねばなりません。――御身(おんみ)も」
 

毒を向けるような視線と毒舌の華樹に、白桜はまたため息を吐く。


「うーん……こうしてみると、架って華樹に似てんなあ」
 

毒を浴びせられている張本人、ノーダメージ。


隣の主人(あるじ)、疲れ果てる。

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