好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「……ああ」
「でも、私はこのまま生きていく。影小路の名前で、……」
きゅっと、手を握る力を強めた。
「……出来たら、黎の……隣、で」
「当然」
ふっと、一瞬の間に唇を奪われた。
「れ、黎! 人前!」
「なんだ? ずっと隣でいいんなら、これくらい通常でするけど?」
「~~~」
夕闇の道とはいえ、人通りや車通りがないわけではない。
恥ずかしさから真赤になる真紅を、黎は楽しそうに見ている。