好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「黎のばか……」
 

非難の声も小さくなる真紅の機嫌をとるように、黎が頭を撫でて来た。


「真紅」


「……なに」


「可愛い」


「………ど、どうしたの? 急に」
 

いきなりそんなことを言われて戸惑う真紅だ。黎はやはり楽しそう。


……からかわれている?


「いつも思ってることだけど?」


「~~~~。………黎は心臓に悪い」


「真紅が可愛い方が悪い」


「だ、だからぁ! そういうこと、さらっと言い過ぎ!」


「言わない方がいいのか?」


「そういう……わけではなくて……」


「やっぱり可愛いしかないだろ」


「も~~~」
 

……こうやって。
 

手を繋ぎながら、なんでもないことを楽しく話しながら、隣に居て、時々目を合わせて、ずっと大すきの気持ちで。
 



………同じ時間を、この先も。








END.

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