好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「かける? どこの者ですか。また白桜様に厄介ごとを押し付けましたか?」
華樹は元々目つきがわる――眼光が鋭いので、普通にしていても睨んでいるように見えるらしい。
それが今、敵意を持って黒藤に接しているもんだから……白桜は色んなところで板挟みになる。
「華樹。退(ひ)け。仕事の話だ」
「………失礼致しました」
白桜が声も険しく言うと、いきり立っていた華樹は静かに畳に膝をついた。
そして正座したまま黒藤を睨む。……しょうがないなあ。
「お前たちにも話しておく。小路流の今後も関わってくる話だ」
「と、言いますと?」
「紅緒様が目覚められたことは知っているな?」
「はい」
「ええ」
白桜の言葉に、華樹と牡丹が答え結蓮も肯く。