好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「紅緒様の姪――黒の従妹が、始祖の転生として覚醒した。
今は紅緒様、母の紅亜様とともに暮らしているが、恐らく小路流の後継者争いに関わってくるだろう。
そうなれば、御門としてもなんらか動く必要が出てくる。
お前たちにも当主直属としてやってもらうことが出来るだろう。――何があっても、
「動揺せず」
「心に余裕を持ち」
「真実(まこと)を見つめること、止(や)みません」
白桜の言にかぶせてきた三人に、白桜は一瞬虚を衝かれたあと、唇の端で笑った。
白桜が三人によく言っていた言葉だ。
「俺のこともわかられているな。これ以上お前たちに言うことはない。
――お前たちそれぞれに妹背(いもせ)が出来てここを離れるまでは、俺がお前たちの主だ。
俺は最後までお前たちを誇りに思う」
妹背――背の君。
生涯の伴侶を見つけるまでは、三人は白桜のためにここにいる。
だから、白桜は三人を信頼することで返事をする。