好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】

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「ここでいいよ。白もまだ仕事、あんだろ?」
 

月御門別邸の門まで黒藤を送りに出た白桜に、黒藤は微笑んだ。


「ああ。……お前も、夜警もほどほどにしろよ。縁(ゆかり)が心配する」


「まーな。縁はほんと、口うるさい姉って感じになってきたよ」


「いいじゃないか。俺もお前も、きょうだいはいないんだし」
 

黒藤の世話に手を焼いている縁を思い出して、白桜の顔もほころんだ。
 

縁は戦闘には向かない。


白桜の配下二基がともに戦闘向きであるのに対して、黒藤の配下三基で、戦いの場に出られるのは無月だけだ。


その辺りは、主の差なのだろう。


「黒。真紅はお前を、越えられないよ」


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