好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「「………」」
 

未だにその段階か……。真紅と黎は、そろってため息をついた。


『真紅ちゃんは黎くんと一緒だから、紅緒は今日、わたしとデートしましょうね?』


『!!!!! よろしいのですかっ⁉ 真紅! 今日だけ特別に認めます! 黎明の! 真紅に不埒な真似をした瞬間に出入り禁止にしますからね!』
 

ぶつっと、電話はそこで途切れた。


「………」
 

えーと……なんだ? 紅亜が、今日は真紅が黎と一緒にいられるように取り計らってくれたと?
 

真紅はそこまで思考が追いついてから、そっと黎を見上げた。


黎もはめられた感しかないようだけど……。


「………」
 

ふいっと、そっぽを向かれた。

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