好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


(か、顔背けられた……)
 

真紅が見上げた瞬間に逃げられたので、余計に真紅はダメージを喰らった。


(や、やっぱり忙しかったのかな……その中無理に時間作ってくれたのに、とか……あっ、もしかしてママと逢う方がよかったのかな? ママ、可愛いし優しいし……ああっ! なんか修羅場だっ)
 

主に、紅緒との。
 

真紅が不安から逃避するように妄想に陥っていると、ふと視界の端で黎の手が動いて、その口を覆った。


「――ごめん」


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