好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
(え?)
真紅は、また顔をあげた。
黎はまだ真紅の方を見ないまま、目を閉じていた。
「……? ごめん? って、なにが?」
すぐに帰ってしまうのだろうか。
真紅がそう口にする前に、黎が気恥ずかしそうに、瞼を伏せたまま言った。
「ちょっと、理解が追いつかない。お二人に認められて真紅といていいとか……ちょっと待ってくれ、頭ん中に入れるから」
「え? う、うん……?」
どういう意味だろう。
真紅がその意味こそわからずにいると、黎は長く息を吐いた。
「……本当に、俺といていいのか?」