好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「……え? えっと……黎がいてくれないと、今日の私の予定もなんもないと思う……?」


「じゃなくて。――紅亜様たちと一緒にいるって話だったんだろ? それが急に俺になっていいのか、って……」


「い、いいですっ。黎が、忙しかったり嫌じゃなかったら……」


「うん」
 

浮かんだ笑みが優しくて、真紅の続く言葉は黎の表情に呑み込まれてしまった。


「初めてだな。真紅と一日、一緒とか」


「そ、そうだね。海雨のところとかうちとか、結構逢ってはいるけど」
 

二人はなんとなしに並んで歩き出した。

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