好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
『そもそも! 主家の姫である真紅ちゃんを呼び捨てにするだけでも何事ってくらいなんだよ。
兄貴は全然わかってないようだけど、紅緒様は前(さき)のご当主で、紅亜様のその双児の姉君だ。せめて呼び方くらい正すように――――』
それから延々(えんえん)三時間説教された。
よく喋り続けられるなあ、と思っていたら、途中で小休憩が何回か入った。
「でも……黎くんと架くんは違うわ」
「? ママ?」
紅亜は、優しく目を細めた。