好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


並んで歩くと、最初の日を思い出す。
 

いつの間にかすきになっていた、あの日。


「……黎に、お願いがあるんだ」


「うん?」


「……ママにも、紅緒様にも、黒ちゃんにも……白ちゃんにも、言ってないことなんだけど……」


「うん」


「……たぶん、黒ちゃんは気づいてて、あえて口にしてないんだと思う」


「黒藤が?」


「……私、何回も、死んだ記憶はあるの」


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