好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「………」
「私の過去の転生は、必ず女の人なの。旦那様だったり、自分の子どもだったり、親や祖父母だったり、友達だったり……。
大事な人が死んでしまうときの記憶が脳裏をよぎるときの方が、自分が死ぬときの記憶を思い出す瞬間より、私は苦しくなる。
そういうとき、意識や感情を、受け継いでいないでよかったって思う。
……当事者でない私が苦しくなるんだから、大事に思っていた本人だったら、どれほどだろう、って……。だから、お願いがあるの」
「……うん」
「絶対、私より先に死なないでほしい」