好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
4 からの
「黎――もしかしてその子が?」
女性は、今度は真紅をじっと見て来た。
だ、誰だろう……? 知らない人だ。けれど、どこかで見たような気がする。
「……なんでこんなところにいるんですか」
黎が苦い顔で答えると、女性はくわっと目を見開いた。
「なんで連れて来ないのっ。二人がどれほど心配してたと思うのっ?」
いきなり怒られた。
真紅が面喰っていると間に、女性は真紅の前に立った。
厳しい顔で。
「あなた、名前は?」
「ま、真紅、です」
「まこちゃん? 今すぐ来てもらうわっ」
え? 真紅が口を開く前に、女性はその腕を摑んで走り出した。