好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
「ほわー……」
女性は途中でタクシーを掴まえて、真紅と黎を押し込んだ。
勢いのままに連れて来られたのは大きな日本家屋だった。
その前に立った真紅は思わず感嘆の声をもらした。
「影小路本家の方が大きいんじゃないか?」
隣に立った黎が言った。
「そうかもしれないけど、向こうはすごく旧(ふる)かったから……」
真紅はまた、大きな門から見える庭木と奥の方に小さく見える家屋を見た。
(これが黎のご実家……)
女性に連れて来られたのは、黎の生家である桜城家だった。
「黎、あの人って……」
「弥生さんだ。架の母親」
やっぱり、と真紅は内心肯いた。架の面差しと似ているのだ。