好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
そしてなるほど。みなさんノリがいい。
黎と架が疲れるのも少し納得する親御さんたちだ。
「誠さん、美愛さん。彼女とは結婚前提で付き合っています。紹介が遅れたことは申し訳ありませんが――」
「そうか。それはいいな。はじめまして。黎の父の桜城誠だ。それと――」
「誠さん、真紅にはうちのこと、全部話してあります」
「……全部?」
「はい」
微笑んだまま問うた誠に、黎は軽く肯いた。
誠はまた、「そうか」と言って続けた。
「妻の美愛と、幼馴染の弥生だ」
「よろしくね」
「急に連れて来ちゃってごめんね? ちょっと黎のことではもめてたから、色々訊きたくて」