好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
黎が丁寧に説明してくれた。
三人から応答はなく、架は頭を抱えた。
「真紅は今、紅緒様のもとで陰陽師となるべく学んでいます。俺がそのことで何か出来るわけではありませんが、出来るだけ支えて行きたいと思っています」
「………ちょ、ちょっと待て、息子よ」
「はい?」
片手をあげてストップをかけた誠。
なんだかその呼び方から狼狽えが見て取れる。
「まこさんが、影小路の真紅嬢だと? 紅亜姫の娘御ということか? 確か真紅嬢は架が――」
「父さん、兄貴の言ったことは本当です。俺は学校では傍にいたけど、今、真紅ちゃんは若君の要請を請けて斎陵学園に転校しました」
「それは聞いているが――……まさか息子が主家の姫君に手を出していたなんて……」