好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契２ー【完】

今度は誠が頭を抱えた。


そしてその言い方が恥ずかしい真紅。


何か口をはさみたいのだけど、なんて言ったらいいのかわからない。


「黎。先ほど真紅嬢はご母堂が認めてくださっているように仰っていたが、それは本当に認められているのか？」


「真紅の母親の紅亜様は容認くださっています。黒藤も承知しています。……ですが、紅緒様には目の敵にされています」
　

黎がド正直に話すと、誠は目を剥いた。


「紅緒姫様には反対されているのか？　先代にそのような扱いをされていては――


「あ、あの！　そのことは私から説明させてください」
　

ようやっと、真紅は話せることを見つけた。


真紅が手を挙げると、一気に視線が集まった。