お願い!嫌にならないで
Q9.どの程度の嘘までなら、許されますか。
今日も、無事とは言い難い1日が終わり、既に自宅で寛いでいるところだった。
ここ最近の俺の身近で起こった出来事を、テレビを観ながら振り返る。
正式に水野さんと付き合い始めて、数日が経とうとしていた。
しかし、実際のところ、全く自覚が無い。
その理由というのも、ある条件のせいだった。
『私たちが付き合い始めたこと、しばらくは内緒にしませんか』
言われて直ぐは、何故!と内心叫んだ。
しかし、水野さんがそう望むのであれば、仕方がない。
それに部長には頭を冷やしてこい、とつい先程、言われたばかりだ。
少し自重しよう。
そう思いつつ、ある人にだけは伝えておいた方が良いのではないか、とずっと考え込んでいた。
『早く水野さんのこと、安心させてあげてください』
その台詞を思い出す度に、報告しなければいけないような、義務感を感じてしまう。
しばらく考え込んでいた。
ただ流れていくだけのテレビの音も、全く気にならないくらいに。