お願い!嫌にならないで
Last question 俺を信じてくれますか。



******



仕事を定時で見事に切り上げ、既に自宅のアパートに1人到着していた。

約束した集合時間は、19時。

あと、もう少しだ。

仕事終わりということもあって、俺の腹の虫が鳴く。

でも、心配は要らない。

おつまみにも晩飯としても腹持ちのいいような物を見繕って、帰り道の途中で買ってきた。

たこ焼き、唐揚げ、フライドポテトに枝豆など、その他諸々。

必要な物は、レンジで温める。

温め終わった物からテーブルに運びつつ、ポテトを摘まんだところで、インターホンが鳴った。



「お、はいはーい」



自分の部屋に、営業部のあのメンバーが来たと思うと妙な感覚がする。

覗き穴を確認すると、予想通り3人の姿があった。

その先頭は、中谷さんだ。

こちらから、そっと扉を開ける。



「お疲れ様です。どうぞ、入ってください」

「今日はありがとうございます。はい、これ。手土産です」



渡されたボックスは、某スイーツチェーン店のもの。

そして、ビニール袋いっぱいの缶チューハイなどの酒たち。



「ありがとうございます」



俺が受け取ったのを確認すると、何の遠慮も無く、入っていく中谷さんと山本くん。

その後ろから、水野さんがおずおずと続く。

扉を閉め、準備の続きをとキッチンへ戻る。

そこで、ふと思う。

中谷さんと山本くんは私服に着替えているのに、水野さんだけはいつもの仕事着であるスーツだった。

気にしていると、水野さんが俺のところへやって来る。



「何か手伝うこと、ありますか?」

「うーん。じゃあ、缶ビールとか、運んでもらえますか。冷蔵庫で冷やしてあるんで」



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