お願い!嫌にならないで
Q4.ここで火照るのは、なぜですか。
あれから、直ぐに二人して歩き出して、お目当ての居酒屋へと向かっていた。
その道中は、今日の仕事を振り返るような内容や、他愛もない会話で自然と繋がっていく。
会話の中でも、先程のストーカー野郎のことが、頭にちらついていた。
しかし、せっかく楽しそうにしている水野さんを、うんざりさせたくなくて決して口には出さない。
あの場所に取り残された奴の姿を思い出すと、ざまあ見ろなんて思えてしまう。
とは言え、後味が悪くないこともないが、いつまでも考えていたって、仕様がない。
気持ちを切り替えて飲もう、飲もう!
目的の店に辿り着き、暖簾をくぐる。
俺が自信を持って、水野さんにオススメできる店だ。
なんてったって、焼き鳥が絶品なのだから。
普段、混雑している店なのだが、運もよく、すぐに店内に入ることができた。
カウンター席に並んで座ると、店の大将が現れ、俺を見ると目を見開く。