お願い!嫌にならないで
俺の自己満足に、付き合ってもらえた。

それなのに、未だに水野さんは申し訳無さそうにしている。

そんな様子の彼女に、はにかんだ。

すると、何故かしら水野さんは固まる。



「……ん?水野さん?どうしたんですか」



呼び掛けるも、応答が無い。



「おーい?」



水野さんの顔の前で、己の手をヒラヒラさせてもみたが、ぼうっとしている。

俺は訳がわからず、彼女の肩を軽く2回叩いた。



「きゃっ」

「え、あ、すみません!」



肩に触れた途端、水野さんに小さく悲鳴を上げられた。

悪いことをしたと思い、思わず慌てる。



「きゅ、急に触れたりして、すみませんでした。大丈夫ですか?」

「あ、私、すみません。大丈夫です……」



大丈夫と言う割りには、顔が赤い。

彼女の「大丈夫」は、余計に心配になる。



「本当に?」



心配になって、水野さんの顔を覗き込む。

そのとき、彼女がひゅっと息を吸い込んだのを、俺は見逃さなかった。

あれ?何故だろう。

さっきまでは、良い感じの雰囲気でいたと思ったのに。

水野さんの様子が可笑しくなった、その原因が分からない。

俺がそう考えている間にも、水野さんの顔の赤みが増している。

何故?
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