お願い!嫌にならないで
「ちょ、ちょっと水野さん?本当に、どうしたんですか」
「い、いえ、何でもありませんから。気にしないでください」
「いやいや、気になりますよ」
彼女の突然に豹変した態度が、どうしても気になる。
それでも、彼女は頑なになって、理由を教えてくれない。
俺は困ってしまって、頭を掻く。
このままでは明日以降、気まずくなりかねない。
原因を探るのに、もう少しだけ話がしたい。
今は、20時過ぎ。
これなら、もう少し一緒に居たって、仕事に支障は無いと思う。
あくまで、俺は。
水野さんは、どうだろう。
あと少しでも、時間を作ってくれるだろうか。
彼女はお淑やかで優しい雰囲気だが、強かであるから、嫌なことはちゃんと嫌だと断ってくれるだろう。
こんな態度をとられているので、ダメ元で彼女に聞いてみる。
「よかったら、もう少し話せませんか」