お願い!嫌にならないで
「ま、守るって、私を?辻さんが……?」
その声につられて、水野さんを見ると、耳まで真っ赤になっていた。
口元に丸めた手をやって、目をぱちくりとしている。
この反応は……驚いている?
それとも……期待していいのか?
ドキドキと胸がうるさく、好奇心が前に前にと出てきてしまう。
「そっ、そうです!俺が水野さんを守ります!営業の同伴させてもらう、側に居られる間は、守れます!」
「こ、心強いです……」
「良かった!ちゃんと守りますから!てか、俺は水野さんの、何なんだって感じですよね!すみません!」
淡い期待にそそのかされ、少し調子にのってしまう。
あまりこれ以上、余計なことを言わないように、しないように気をつけなければ。
水野さんは、男性から不快な思いをさせられた経験があるのだから、そういうことについては、特に敏感だろう。
注意して、接しなければならない。