キミへ告げる想ひ
「あー、泣いた」

映画館の入り口を出て、堀野は開口一番に言った。

「確かにけっこうよかったよね」

「あのシーンなんか、特に…」

堀野が感傷に浸っている様子を桂碁はその隣でそれをずっと見つめていた。

「そういえば今更だけど、この映画二回目だったりする?」

「うん。でも、何で?」

「映画見てるときにふと隣の青井君ほう見てみたら、

なんか一度見てる感の感じのオーラが出ていたから…」

堀野の観察力の鋭さに桂碁はびっくりしてしまった。
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