キミへ告げる想ひ
「実はさ、
一月ほど前にこの前話した俺の好きになった子、彼女は華って言うんだけど
その子とあと同じクラスの何人かの女子と一緒にスキーに行ったんだ。

で、その前に華に誘われてこの『会いたい人がいる』を見に行った。

あの時は感動しすぎて泣きまくっちゃったから今日は気をつけてたんだよね。

だから堀野がわかったのかもしれないけど」

「いいなー。スキー行ってたんだ」

てっきり、映画とかクラスの女子と行ってたことを聞かれるものだと桂碁は思っていた。

「スキー好きなの?」

「いや、というより楽しんでるなーって。青春してるって感じじゃない?」

「わからなくはない。どうしたの?なにかあったの?」

「別に…。大丈夫だよ」

その時、桂碁の胸に何か引っかかるものを感じた。

桂碁は一つため息を吐き、彼女を見た。

「もしかして...、華に会った?」

その言葉に彼女は驚いた様子だった。

「なん……で?」

「正直言って勘なんだけどね。でも、その様子だと会ったんだよね?」

堀野は黙っているのは無理だと思ったのかか細く『うん』と答えただけだった。

「ごめんね…。青井君に嘘はつきたくなかったんだけど」

「そんなことは別にいいよ。
でも、その時何があったのかは教えてもらいたいな」

桂碁は彼女にそっと笑いかけた。
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