キミへ告げる想ひ
教室として本格的にやるのは、娘たちがバレエを学べる年になってからだが、
彼女はもう待ちきれなかった。

娘たちが何年か経って、新しく作った教室で踊っているところを想像するとどんなに辛いことも乗り越えることが出来た。

それからさらに四年が経ち、明梨は六歳になり若菜は四歳になった。

教室の生徒に若菜が加わったのと同時に一般生徒も募集し始めた。

二人だけでなくみんなに踊ることの楽しさを知ってもらいたかった。

二人ともあっという間にバレエに魅了されていった。

端から見ていてよくわかった。

彼女たちは嫌だとは言わなかった。

由紀子もバレエを強いることはなかった。

教室に新たに生徒が一人入ると様々な所で評判はどんどん広まり、
一月足らずで満員になった。

講師が世界女王だから、という理由だろうと彼女は誰も拒まなかった。


あれから何年か経った。
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