キミへ告げる想ひ
明梨も若菜もしばらくするとコンクールではもう顔馴染みになっていた。

そんなときだった。
二人が出場したコンクールで若菜が怪我してしまったのだ。

曲も終盤の頃だった。
由紀子には焦って踊っているようには見えなかった。

突然、ドガンと鈍く低い音とともに若菜はステージの上に倒れた。

すぐに起き上がって再び踊りだしてくれるものだと誰もがそう思ってた。

けれど、若菜はしばらくそのまま動かなかった。


審査員が駆け寄った。

由紀子も動き出した。

幸い、血は出ていないようだったが、彼女は気を失っていた。

そのまま由紀子は若菜を連れて病院へと向かった。
医師からは、ステージ上に頭を強く打ったことによる脳震盪と右足の亀裂骨折だと告げられた。

翌朝、由紀子が病院に行ってみると彼女は目を覚ましていた。
その時、由紀子は彼女の顔を見て一安心していた。
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