キミへ告げる想ひ
そして、何年か経つとその間に二人とも相次いで成人を迎えた。

明梨はその頃には由紀子とともに教室でインストラクターとして働き始めていた。

若菜のほうはというと、彼女はバレエをやめたあといろいろな男性と付き合うようになった。

ある日、由紀子はそのことを彼女にさりげなく尋ねてみた。


すると、
「何もしないのもつまらないから私はお母さんみたいな立派な母親を目指す」
という回答がかえってきた。

それを聞いて由紀子は涙が止まらなかった。

中絶のことは教えていた。

それなのに「立派な母親」と言われ由紀子は複雑な心境だった。

そしてついにある日、若菜は一人の男性を家に連れてきた、
内容はもちろん、彼と結婚したいというものだった。
ここでも由紀子は反対しなかった。


式を執り行い、彼女は嫁として家を出て行った。
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