キミへ告げる想ひ
由紀子は若菜に、
菜々子に「アイドルになる夢を諦めてほしい」と言ってほしい
とお願いすることにした。

その一ヵ月後若菜から菜々子がバレエをやめることにしたと連絡が入った。

生徒の数が減ってしまうのは少し寂しかったが、孫のためだとそこは乗り切ることにした。

そして六年ほど経ったころ、若菜から久ぶりに連絡が来ていた。

そこには、

―菜々子が高校の同級生とアイドルを始めた。

と書かれていた。

ふと気づくと少しの涙が由紀子の目には溜まっていた。
由紀子はどうして出てきたのか自分でもよくわかっていなかった。
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