キミへ告げる想ひ
「あれ?
琴葉君、ミーティング?」

あの聞きなれた声が突如教室のドアの方から聞こえてきた。

案の定愛斗が扉を豪快に開けて入ってくるところだった。

「うん、そうだよ。

ってかみんなの前で琴葉って呼ばないでよ。

まだ言ってなかったんだから…」

桂碁は首だけ愛斗の方に向けて言った。

「まだ名前のこと話してねーのかよ。

でも、心のことは話したんだろ?」


「話したよ。
でもそっちはタイミング逃した」

「桂碁どういうこと?
もしかして改名するの?」

「いや、まだ改名はしない予定だけど、

もしも俺が女として産まれていたのなら『琴葉』って名前がよかったな
って思って作った。

因みに愛斗には俺の病気関連のことは全部話してある」

ちょうど一年前、愛斗に全てを告白したときと同じように彼女たちにも話した。
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