キミへ告げる想ひ
02-ホントの感情

1,

思えば、あのときからだった。

気づけば見ていた。

ダメだ、そう思いつつも見てしまっていた。

自分の感情が、わからなくなってしまっていた。

彼女たちは、出発してから三十分ほどたって帰ってきた。

文化祭前日である今日の準備はラストスパートに入っていた。


「そっち持って」

「はいよ」


下校時刻はゆっくりと近づいてきていた。

教室中に、様々な声が飛び交っていた。

終わったときにはもう、下校時刻ギリギリだった。

みんな慌てていた。
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