キミへ告げる想ひ

「私からも言わせてもらうよ。


華、私たちのことは気にしないで。


私たちは大丈夫だから。


でも、
そうすると桂碁と結ばれたいって願いは永遠に叶えられなくなるけど、


華が桂碁と幸せになってくれるのなら私たちはそれでも良いと思ったの。


私は華と出会って本当によかったって思ってる。


私みたいな小心者にでも分け隔てなく接してくれた。


あのときはすごくうれしかった。


感謝してる。


それに周りとの架け橋になってくれたり、


いろいろな遊びに誘ってくれたりもした。


なのに…、


私はまだ一度も華に恩返し出来てなかったでしょ?


だから私にも一年間分の恩返しをさせて」


言い終えたフユの目から涙がポトリと流れ落ちた。
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