キミへ告げる想ひ
その時、みんなが乗っているベッドが突然揺れた。

桂碁は華と真紗実を抱きしめていた。

「二人ともありがとう」

最初にその言葉が出た。

桂碁は目に泪を浮かべていた。

華も真紗実もみんな、泣いていた。


あのあと、みんなでひとしきり泣いた後、絶妙なタイミングで夕食の時間となった。

父に俺たちの目が赤くなっていることに関して不思議そうな顔をされてしまったが、
適当に誤魔化しておいた。

あの様子を見た限りでは二つ隣で起こっていたことを、把握していないようだった。

夕食の時間では特に盛り上がることも無く、

ただ黙々とひたすら箸を動かすだけだった。
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